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22/08/25 Blog
【Masa’s Blog】vol.9 若くて健康なイヌの最大の死因は問題行動!?(A’ALDA代表 奥田昌道)

※本BLOGは声でもお楽しみいただけます。
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本日はイヌの社会化(訓練)の重要性についてシェアができればと思います。

2015年にイギリスの獣医師会が発表した衝撃的なニュースがあります。内容としては、約98%の獣医師が健康なペットの安楽死を飼い主から依頼されたことがあるというものです。

小動物臨床に従事する獣医の半数以上(53%)が、この安楽死の依頼は珍しいことではないと回答し、健康なペットの安楽死を依頼されたことのある獣医師の98%が、ペットの問題行動と回答しております。問題行動には、吠え声や遠吠え、破壊的行動、トイレの失敗などがあります。

出典:98% of vets asked to euthanise healthy pets

この事実は、イヌの幼少期に十分な社会化を行うことの重要性を示していると思います。

そもそもイヌは人間と違う動物であり、人間のように理性があるわけではありません。そのためイヌは本能的に自分の都合の良い行動を取ります。つまり気分の良くなることはやるし、不快になることは避けます。

イヌの行動自体には、本質的に ”良い”、”悪い” という区別はなくて、飼い主の見解としてその行動が、許容される、望ましい、そうではないと、飼い主が決めているだけです。

吠える、噛むなどの行動はイヌにとっては当たり前の行動であるので、その行動自体を抑制させるのではなく、吠えるタイミングを教えたり、噛んで良いものとダメなものを認識させる訓練が必要になります。

イヌの問題行動に悩む飼い主の多くの方は下記のような、言い訳を口にしていると思います。
「この子はミックス犬だから」、「この子は保護犬なの」、「犬種として支配的(攻撃性がある)なだけなの」

犬種、個性であったり、イヌとの出会いの場所(ブリーダー、ペットショップ、保護団体など)は、イヌの社会化訓練をしない理由にはなりません。ただの言い訳です。全てのイヌには社会化トレーニングが必要ですし、全てのイヌは良いトレーニング方法にしっかりと反応してくれます。もちろん簡単に解決できないケースもありますが、プロのトレーナーに助けを求めることで解決できる可能性が高くなります。

日本では安楽死は一般的ではないものの、イギリスという先進国においても、「若くて健康なイヌの最大の死因は問題行動にある」ということを、全ての飼い主さんには知っておいて欲しいです。

正確な数字は不明ですが、日本では保健所に引き取られているイヌの10%が、飼い主から直接持ち込まれる成熟犬と言われております。恐らくその大半は、問題行動が原因になってしまっているのではないかなと推測しております。

出典:犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況(環境省統計資料)

私自身も愛犬との関係性については悩んだ時期がありました。誰に相談したら良いのか分かりませんでしたし、かかりつけ医の獣医師に相談しても明確な解決策はありませんでした。現在は私もペット業界に身を置いているので、全ての獣医師が動物行動学に精通しているわけでないこと、日々忙しすぎて命に問題がないことまで気がいかないこと、なども分かります。

しかし、今現在、ペット業界における唯一の公的な資格を有している獣医師の責任と影響力は非常に大きいです。私たちA’ALDAグループ全体としても、獣医師だけでなくプロのドッグトレーナーの知見も活かすことで、パピー教室などを積極的に開催したり、少しでもイヌの社会化トレーニングに貢献できればと思います。


Purpose:

・人とペットが幸せに暮らせる社会をつくる

Vision:

・世界で最も影響力のあるAnimal Health Tech Companyになる

Mission:

・Think As One, Treat As One.

私たちは、 人とペットがともに生き、 ともに暮らし、信じ合い、 愛し愛される世界を創造します。 揺るぎない熱意と、 世界中の最先端獣医学テクノロジーによる 最良の動物医療を通じて 人とペットの幸せを実現します。

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