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22/07/28 Blog
【Masa’s Blog】vol.5 治療から予防へ(A’ALDA代表 奥田昌道)

※本BLOGは声でもお楽しみいただけます。
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ペット業界の構造を考えると、動物病院としても飼い主としても、獣医療の本質的な役割が「治療から予防へ」と変化していくということを理解し、行動する必要があります。その背景には、「獣医師不足」という大きな課題があります。

ひとくちに獣医師と言っても、その活動分野は多岐に渡ります。皆さんがイメージする動物病院で働く獣医師は、獣医師全体の40-45%前後と言われております。では他にどんな仕事の分野があり、それぞれどのくらいの獣医師が従事しているか、少し古いですが、平成28年4月に農林水産省が出している資料から引用させていただきます。

・産業動物診療分野:11%
 牛や鳥などの産業動物簿診療に従事
・公務員分野:24%
 家畜伝染病の防疫、食品衛生監視などの行政に携わる獣医師
・小動物診療分野:39%
 イヌ、ネコ等のペットの診療に従事
・その他の分野:14%
 大学の教員、医薬品の開発に携わる獣医師
・獣医師として活動しない者:12%

※引用元:獣医事をめぐる情勢(農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課 平成28年4月作成)

日本では小動物臨床に従事している獣医師よりも、産業動物や公務員の獣医師の方が不足していると言われております。一方で、日本の医療機関に勤務する医師あたりの人口は約400人で、日本の獣医師あたりのペット数は約1,000頭と、医師と比べると小動物臨床に従事する獣医師の数も少ないことが分かります。

下記の表は、国別の犬猫の飼育頭数と、小動物臨床に従事する獣医師あたりのペットの数を示しております。(2018年の実数と2026年の推計値)

こちらの表を見ると経済成長が著しいインドでは圧倒的な獣医師不足が起きていることが分かります。イヌやネコなどのペットは一緒に住みたければ、誰でも一緒に暮らすことができます。一方で獣医師になるためには、獣医学部のある大学を卒業して、国家資格を取得する必要があります。ペットの頭数は指数関数的に増加する一方で、獣医師数は線形にしか増加しません。

需給バランスが崩壊することで大きな課題が発生することは容易に想像できます。獣医療は自由診療ですので、医療費が高騰した結果、一部の富裕層しかまともなサービスを受けられない可能性があります。

ペットの頭数を減らしたり、獣医師の数を増やすといった、直接的な需給バランスの調整は難しいので、獣医師あたりの診察効率を高めていく必要があります。私たちは2つの側面から診療の効率を高めていきたいと考えております。

1つ目が動物病院のデジタル化です。デジタル化による単純な業務効率の改善だけでなく、診察データや個体データを蓄積することにより、将来的に発生しうる病気に対してアクションを起こす準備ができます。またテクノロジーの活用については、前回テクノロジーを活用する目的というブログを書いているので是非ともそちらもご覧ください。

2つ目が予防医療です。こちらも動物病院の再定義 というブログで書きましたが、動物病院の既成概念を覆して、ペットにとってのSecond Place, Third Placeになることを目指しております。ヘルスケアだけでなく、ライフスタイルを融合させることで、新しい動物病院を作ることができると思います。獣医師が中心になり医学的に正しいことだけを伝えるのではなく、動物看護師、トレーナー、理学療法士、スタッフなど全員と協力することで「ペットオーナーとペットにとって一番幸せな選択」を提案できる、そんな動物病院にしていきたいです。

結果として、ペットの予防医療が普及して罹患率が減少してくれば、深刻な獣医師不足という課題も多少は緩和できると思います。それに、何かを変えない限りはこの業界にとって明るい未来は訪れ無いと思います。

私たちのサービスを通じて、一人でも多くの方、1頭でも多くのペットを幸せにできるように全力を尽くします。


Purpose:

・人とペットが幸せに暮らせる社会をつくる

Vision:

・世界で最も影響力のあるAnimal Health Tech Companyになる

Mission:

・Think As One, Treat As One.

私たちは、 人とペットがともに生き、 ともに暮らし、信じ合い、 愛し愛される世界を創造します。 揺るぎない熱意と、 世界中の最先端獣医学テクノロジーによる 最良の動物医療を通じて 人とペットの幸せを実現します。

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