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23/03/24 Blog
【Masa’s Blog】vol.27 揺り籠から墓場まで(A’ALDA代表 奥田昌道)

※本BLOGは声でもお楽しみいただけます。
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実は年末に、社会人になってから初めて一緒に暮らしたペットのモルモットが亡くなってしまい、年末年始は「ペットとのお別れ」について考える時間が多かったです。昨年11月末には保護犬として我が家にやってきたココがなくなり、約1ヶ月の間に2頭のペットが亡くなってしまいました。

ペットと人のライフスタイルを考えると、基本的にはペットが自分達よりも先に亡くなります。私たちもペットが先に亡くなることは頭では理解しておりますし、死期が近づいていることに気づくことができれば、お別れに向けた心の準備もすることはできます。

しかし、やはりお別れの瞬間はどうしても悲しい気持ちになります。当然ながら一緒に過ごした楽しい時間の方が多いですし、今思い返してもペットとの楽しい思い出は沢山あります。どんなに心の準備ができていたとしても「死」の瞬間を心穏やかに過ごすことは至難です。

「ペットとのお別れ」は、全員が目を背けたくなる瞬間であります。しかし、ペットオーナーにとって、必ず訪れる出来事であり、精神的に最も負担のかかる出来事であります。そんな重大な出来事から、なんとなく負のイメージがあり、センシティブな領域だからと、目を背けることは果たして誠実なのでしょうか。

「揺り籠から墓場まで」という言葉があります。ペットの世界でもこの言葉は頻繁に使われるワードだと思います。しかし、本当の意味で「揺り籠から墓場まで」を真剣に考えて、尚且つ適切なサービスを提供できるような環境はありません。どちらかというと、「揺り籠」に近いフェーズのサービスの方が充実していると思います。ペットオーナーとしても愛するペットと一緒に暮らし始めるタイミングは非常にWell-Beingが高い状態であるので、ポジティブな感情を持ち、能動的にサービスを利用するケースが多いと思います。

一方で、「墓場」に近いフェーズにおいては、サービスの幅も狭く、品質も非常に低い状態です。基本的には死期が近づいてくると動物病院で過ごす時間が増えると思います。ペットオーナーも「ペットとのお別れ」という悲しい現実を受け止めたくないので、中には延命処置として治療や投薬を継続し続けるケースがあります。

果たして本当にそれが幸せでしょうか?

動物病院の先生は医学的に正しい助言を行うことはできますし、ペットオーナーの心情を汲み取り適切なコミュニケーションを行える先生もいます。しかし、ペットとの思い出や本当の気持ちは、私たち自身の心の中にあります。愛するペットのことを最も理解しているのは、動物病院の先生ではなく、私たちペットオーナーです。

一番辛い出来事であるからこそ、絶対に後悔のない選択をするべきです。「ペットとのお別れ」について、ペットオーナーが能動的に考えて、行動できるような環境作りは非常に重要です。特に死期が近づいているペットとの接点が多い動物病院だからこそ果たすべき役割と責任があります。

一般的には動物病院はペットを生かすための場所です。病気や怪我で苦しんでいるペットを救うことが現代医療の使命になっております。一方で、動物病院で働く人は、ペットの死に立ち会い、ペットの死に向き合ってきた数が非常に多いはずです。人生の中で何十回もペットとのお別れの経験をすることがあるペットオーナーは少ないと思います。タフな環境ですが、動物病院はペットの死と向き合う環境があり、動物病院で働くスタッフは何度も何度もペットとのお別れを経験しております。

どのようなタイミングでペットとのお別れについて真剣に考えるべきなのか、お別れの準備に必要なこと、お別れの後にやるべきこと、などペットオーナーが不安に思っていることは沢山あります。私もこの度のペットとのお別れを通じて、ペットの葬送関連サービスは残念ながら、ヒトの葬送サービスと比べると何周も遅れているなと感じました。日本ではペットロスが社会問題として認知されてきておりますが、現状の環境だとペットロスになっても仕方がないと痛感しました。

今の時点で明確な解答を持ち合わせていませんが、デジタル化が進み、データ量が爆発的に増加している現代の環境を考えると、現代医療のような「マイナスをイーブンにする」といった医療の役割は限定的になると思います。これからの医療のあり方は「マイナスにさせない」ような予防や未病の環境を提供することです。予防や未病の環境を作るためには、ヘルスケアの領域だけでなく、日々生活しているライフスタイルの領域との連携・データ収集なども必要不可欠です。

私たちは、私たちの志に共感・賛同してくださる、ペット業界及び非ペット業界に属する企業とのコラボレーションを通じて、「揺り籠から墓場まで」全てのフェーズでペットとペットオーナーのWell-Beingが低下しないように、サービスの幅を広げて、各サービスの質を高めていくことを目指します。

ペットと暮らし始めてから最後のお別れをした後まで、嬉しいことや楽しいこと、または不安なことや悲しいことも沢山の経験をすることになります。ペットとのライフスタイルの中で「揺り籠から墓場まで」いつまでもペットオーナーとペットのWell-Beingを高めることができる、そんな環境を作り上げる企業でありたいと思います。


Purpose:

・人とペットが幸せに暮らせる社会をつくる

Vision:

・世界で最も影響力のあるAnimal Health Tech Companyになる

Mission:

・Think As One, Treat As One.

私たちは、 人とペットがともに生き、 ともに暮らし、信じ合い、 愛し愛される世界を創造します。 揺るぎない熱意と、 世界中の最先端獣医学テクノロジーによる 最良の動物医療を通じて 人とペットの幸せを実現します。

 

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